Last Updated on 2020年1月2日 by Dai Ando
はじめに
前回の記事、”意志の強さに依存しない挑戦アプローチ法その2”はいかがだったでしょうか。
意志が弱くても大丈夫!意志の強さに依存しない挑戦アプローチ法:日常を”Comfort Zone外”に変える方法5選(その2)
本当に効果があるの!?と疑問を感じた方もいらっしゃるかもしれませんね。
でも、是非今回紹介する方法と併せて試してみて下さい。
すぐに効果が出始める自信があります^^!
今回はいよいよ後編。
かなり長い記事になってしまいましたが、最後までお付き合い頂けると嬉しいです!
実行した途端に”Comfort Zone”から追い出されてしまう程の”即効性”+”持続性”がある方法ばかりなので、ちょっと刺激的ですよ^^。
心の準備はいいですか〜!?
(Comfort Zoneってなんぞや><!?という方は以下の記事をご参照下さい)
意志が弱くても大丈夫!意志の強さに依存しない挑戦アプローチ法:日常を”Comfort Zone外”に変える方法5選(その1)
その3、目標を周囲に宣言する
前編で考え紙に書いた目標や挑戦を周囲に宣言しましょう。
宣言する相手はどなたでも構いません。
意見がもらえるから?
そうではありません。
ただ宣言するのです。
例えばこんな感じで。
『私は( )を目標とし、( )までにそれを実現しようと思っている』
語尾は、”しようと思っている”でも、”する”と言い切っても、どちらでもいいと思います。
宣言することで日常は一気に”Comfort Zone外”に変わります。
- 周りの人はあなたの目標を知っている。
- 進捗状況が気になっているかもしれない。
- 達成しないでいると、口だけだったの?と思われるかもしれない。
こんなプレッシャーの中での生活が始まります。
一度宣言したら、もう元には戻せません。
その代わりに、やる気に満ちた生活が待っています。
なんとか目標を実現しよう!という大きなエネルギーが、自分と自分の周囲に生まれます。
この記事の”Comfort Zone内外比較表”を覚えていますか?
意志が弱くても大丈夫!意志の強さに依存しない挑戦アプローチ法:日常を”Comfort Zone外”に変える方法5選(その1)
Comfort Zone内 | Comfort Zone外 | |
---|---|---|
意志の強さ | かなり必要 | ある程度で大丈夫 |
置かれている環境 | 快適 挑戦の経過がどうあれ、精神状態や生活への影響はない | 不快 挑戦の経過が、精神状態や生活に大きく影響する |
精神状態 | リラックス | 常に緊張感があるので、ピンと張りつめている |
モチベーション | 維持が困難 序盤は高いが、急激に落ちる | 維持が容易 不快な状況から抜け出すのに必死なので、常に高い |
本気を出す機会 | 本気を出せば凄い自分を知っているが、その機会はない | 本気を出す機会に溢れている むしろ本気を出すしかない |
火事場の馬鹿力 | 必要ないので眠ったまま | 必死なので、常に馬鹿力を発揮 |
必要な情報を拾うアンテナの感度 | 低い 有用な情報が転がっていても見落としがち | 高い Comfort Zone内では見落としがちな情報も目敏く拾い上げる |
周囲の協力 | 自ら求めない限りは得られない そもそも協力の必要性は低い | 周囲が必死さを感じ取るので、協力の手を差し伸べてもらえることが多い |
挑戦の成功率 | 低い | 高い |
目標を周囲に宣言すると、この表右側の状況になり、目標を実現する方向に全てが動き始めます。
僕の”初”目標宣言
それは射撃部に所属してい高校一年生の時でした。
(お祭りのあの”射的”ではなく、マイナーですが立派なオリンピック競技です^^)
勉強そっちのけでひたすら練習していたので、県の練習試合ではいい成績が出せるようになっていました。
でも、本番に弱い僕は、実際の試合で思うような結果を出せずにいました。
“次の神奈川県新人戦では結果を出したい。あわよくば優勝したい。でもどうすれば!?”
悩んでいる僕を見て顧問の先生がメンタル・マネージメント―勝つことの秘訣』という本を下さいました。
そこにこの方法が書いてあったのです。
この本によると僕の場合は、”今度の新人戦で優勝する!”と宣言するべきなのです。
いや、それはちょっと大胆すぎるのでは!?と思いましたが、
藁をも掴む気持ちで宣言しました。
部活の仲間や先輩にはもちろん、家族や県内の射撃のライバルにも。
“ああ、言ってしまった…”
そんな気恥ずかしさの中に、宣言出来た自分への誇らしさも何故か混ざった複雑な気持ちでした。
しかしそれからというもの、練習に身が入るのです。
焦りからくる冷や汗と共に心地よい緊張感が”常に”身を包みます。
勝たなければ”口だけ男”になってしまうのですから、当然かもしれません。
“こいつを何とかして勝たせたい”
部活の先輩もとても協力的でした。
時間があれば紙に書いた目標も眺めていました。
そんな毎日を過ごしていると、勝つことへの意識が変わってきました。
宣言以前は”勝ちたい”だったものが、
“勝たなくては!”と追い詰められ、徐々に”これだけ練習したのだから勝って当然!”となり、
最後は”ああ、勝つのだな”と、勝つことを信じ込むようになりました。
- 宣言し、それにふさわしい練習をする。
- それを見ている周囲もその熱を感じる。
- 本人も信じ込んでいる。
- すると勝ちそうだなという雰囲気が漂う。
- 試合会場の空気の流れも変わる。
- 宣言した結果が出やすくなる。
何と僕は宣言通り優勝したのです。
宣言前の自分を振り返ると
今思えば、宣言前までの”勝ちたいと思っている自分”は、調子が良くて本当に勝ちそうになると急におかしなミスをしていました。
悔しかったですが、”本番に弱い自分”を言い訳にその結果を受け入れていました。
勝ちたいけれども、心の深い部分が勝つことを受け入れていなかった。
勝つことが自分にふさわしい、と信じきれていなかった。
すると結果はそちらへ向かいます。
結局は”自分で思っている自分らしい結果”に落ち着くのです。
“目標を周囲に宣言する”のまとめ
沢山の素晴らしい効果があるこの方法ですが、一番の効能は、
目標を実現することを心の深い部分で受け入れられるようになること。
そして、これを繰り返しているとその副産物として、
“宣言したことを実現する人”というイメージを持ってもらえるようになります。
有言実行ですね。
もし良かったら
お問い合わせフォームから僕に目標を宣言して下さい^^。
もし掲載しても良ければ、まとめて記事にします!!
このブログで宣言して目標を実現させましょう!
その4、自分が実現したい目標を既に実現している人たちの集団に入り込む
これも非常に強力な方法です。
通常、自分の”Comfort Zone内”に、実現したい目標を既に実現している人はいません。
その人は自分の”Comfort Zone”を築いていて、実現した人たちに囲まれた別のステージにいます。
違う常識を持って、違う考え方で動いているのです。
目標を実現した自分になりたかったら、
- 熱い想いを持ってその集団に入り込み
- 彼らの常識、彼らの考え方に身を浸し
- 模倣して動く
これが最短距離。
彼らの”Comfort Zone”は、自分にとっては完全に”Comfort Zone外”。
飛び込んだ瞬間から色々な面で苦しい環境になりますが、
“Comfort Zone内外比較表”右側の状況となり、目標を実現する方向に全てが動き始めます。
ポイント
大切なのは、それに相応しい自分になってからその集団に入ろうと考えず、まず飛び込むこと。
自分の常識、自分の考え方が今の自分を作っている訳ですから、その集団の外で”自分なりに”いくら頑張っても、その集団に相応しい自分になんてなかなかなれないのです。
“まわりの水準によって自分の水準が上下する”
これは僕の尊敬する射撃のオリンピック金メダリスト、ラニー・バッシャムさんの言葉です。
まずはまわりの水準を上げましょう!
飛び込むにあたって、よくある懸念
どうやって集団を見つけるか?
これは今の時代それ程難しくありません。
書籍やインターネットを通じて、学会や講演会、スタディーグループ、Facebookグループなどなど、欲しい情報が見つかるはずです。
目標によっては集団の情報が公表されないこともあります。
でも大丈夫。
興味を持っていればアンテナは張り巡らされ、目標を周囲に宣言していれば、人を通じて世間に流通していない情報が流れ込むようになります。
その集団に自分が入り込んで迷惑ではないだろうか?
どの集団にもメンバーの新陳代謝があるので心配無用です。
純粋な熱意があればその門は開かれます。
雑用でも何でもいいです。その集団のために自分が出来ることを精一杯やりましょう。
僕の”集団入り込み歴”
この方法を意識して試すようになったのは、2008年頃。山崎 拓巳さんの『やる気のスイッチ』を読んでからです。
それ以前は、
- 類が友を呼んだ結果として集団が出来る
- 集団は選ぶものではなくて自分に合ったものに受身的に属する
- 自分のステージが上がったら上の集団に属する権利が与えられる
こんな風に考えていました。
ちょうど色々と悩んでいた頃で、この”集団を変える”考えにガツン!と衝撃を受けたのです。
ああ、集団を変えても良かったのだ!
それからというもの、勇気を出して色々と飛び込んで来ました。
学会、スタディーグループ、講演会、病院(笑)、海外などなど。
そして、まわりの水準によって自分の水準が上下することを何度も体感しました。
大切なので繰り返しますが、
- 熱い想いを持ってその集団に入り込み
- 彼らの常識、彼らの考え方に身を浸し
- 模倣して動く
これが日常になれば、ゴールはすぐそこです!
その5、Fake it until you make it (目標を実現するまで実現したフリをする)
これも高校の頃から今までずっと使っている方法で、いつも助けられています。
例えば、授業中や会議中、積極的に発言出来るようになりたい場合。
自分の心の悲鳴は無視して、積極的に発言する人のフリをするのです。
フリをするということは、”自分が思っている自分”らしくない振る舞いをすること。
これは”Comfort Zone外”です。
それでもフリを続けていると”Comfort Zone外”であったその振る舞いが、徐々に自分のものとなり、そこが自分の”Comfort Zone”になるのです。
フリをしているだなんて、周りは気が付かないもの。
目標を実現したフリを習慣化すれば、”フリをしている自分”と”本当の自分”のギャップが限りなくゼロになる。
これが”Fake it until you make it”の効果です。
是非このTEDを観てみて下さい。
全部とても良い内容なのですが、忙しい方は15:30辺りからどうぞ。
“Fake it until you make it”の理解が深まると思います。
(後半、”うっ”と言葉に詰まるところがあるのですが、何だか目頭が熱くなってしまいます;_;)
この例の場合、なりたい自分のイメージがハッキリしていますが、例えば、”作家になりたい”、そう思った時はどうでしょう。
“Fake it until you make it”に従うのであれば、作家のフリをする、つまり作家のように振る舞うわけでが、作家の振る舞い、ご存知ですか?
僕は知りません。
通常、自分の”Comfort Zone内”に、実現したい目標を既に実現している人はいませんから、知らないのにそのフリをするのは難しいですよね。
僕の”作家イメージ”に従って振る舞うのであれば、昔の文豪のように、どこかの温泉宿で缶詰になって文章を書くことになります。
- もしもこのイメージが実際の作家と大きくズレていれば、いくら”Fake it until you make it”を続けても目標の実現は難しいのでは?
- まずは目標を実現した人物を知らなければ、フリが出来ないのでは?
そんな懸念から色々と試行錯誤をしました。
その結果、どのように”そのフリ”をして良いか分からない目標の場合は、
- まず自分の目標を実現している人を見つけ
- 何とかその人と会って話す機会を作り
- その人を真似て
- その人のように行動する
と上手く行くことが分かりました。
目標を実現した”人”のフリを習慣化しても、”フリをしている自分”と”本当の自分”のギャップが限りなくゼロになります。
僕の”Fake it until you make it”歴
難易度の高い、ある治療法を身に付けたい。そんな目標を持った時があります。
その治療法のパイオニアである先生の講演に参加し感銘を受け、後日連絡をして会いに行きました。
- オペの見学を許して頂き、
- 毎週のように通い詰め、
- オペに使う道具、服装から振る舞い、全部真似をし、
- その先生の出入りするスタディーグループにも混ぜてもらいました。
すっかり憧れてしまったんですね。
どっぷりとその先生の世界に入り込んでしまいました。
すると、フリが出来ない部分、つまり目標にしている治療法が未だ出来ないことが非常に不快になりました。
これは、元々”その治療法が出来たらいいな〜”だったものが、その先生のフリをして自分の”Comfort Zone外”に出たことで、
その先生の“Comfort Zone”の常識や考え方が、徐々に自分の”Comfort Zone”となったからだと思います。
すると、例の表の力が働きます。
実際にオペをするにあたり、射撃部の時に身に付けた”イメージトレーニング”を行いました。
見学したオペの術者を自分に置き換えて、頭の中で夢に出てくるくらい何度も何度も繰り返し手術を行うのです。
別の機会に書こうと思っていますが、イメージトレーニングは非常に有効です。
イメージ出来ないことは現実の世界でも実現しません。
逆に、イメージ出来ることは現実の世界でも実現出来る可能性が高く、
現実に沿ったリアルなイメージトレーニングを繰り返すことで、実際にそれを行なっているのとほとんど変わらない経験を積むことが出来ます。
その後、その尊敬する先生に助手をして頂き、成功裏にこの治療法のデビューを果たしました。
まとめ
全3回に渡る、”意志の強さに依存しない挑戦アプローチ法:日常を”Comfort Zone外”に変える方法5選”、いかがだったでしょうか?
- 目標について考える
- 目標を紙に書く
- 目標を周囲に宣言する
- 自分が実現したい目標を既に実現している人たちの集団に入り込む
- Fake it until you make it (目標を実現するまで実現したふりをする)
意志の強さに依存しない方法ばかりを厳選していますので、実践すれば最小限の意志力で最大の効果が発揮されることを保証します。
さあ、あとは実行するだけですね^^。
次回は、”この5つの方法の効果的な組み合わせ”、についての補足をしたいと思っています。
お楽しみに!!
Jump the border!!
参考文献
メンタル・マネージメント―勝つことの秘訣』星雲社.
山崎 拓巳 (2008)『やる気のスイッチ』サンクチュアリ出版.
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