Last Updated on 2020年1月2日 by Dai Ando
はじめに
“うまく行くがどうか心配…”
そんな懸念は、挑戦をためらう理由のトップ3に入るのではないでしょうか。
今回は
“挑戦をしてうまく行かなかった時の後悔”と、”挑戦をしなかった後悔”を比較しつつ、
“本当の失敗とは何か”
について書きたいと思います。
挑戦をためらう理由が減る統計
ここに興味深い統計があります。
アメリカ・ニューヨーク州コーネル大学の心理学教授、トーマス・ギロビッチが、
- 行為後悔(行動したことに対する後悔)
と、
- 非行為後悔(行動しなかったことに対する後悔)
を調査したのです。
結果は…
行為後悔 | 非行為後悔 | |
---|---|---|
先週のこと | 53% | 47% |
人生を振り返った場合 | 16% | 84% |
つまり、
“記憶が新しい間は、「行動したことに対する後悔」の率が若干高い”
けれども、
“時間が経過するにつれて、圧倒的に「行動しなかったことに対する後悔」の率が高くなる”
という結果が出たのです。
う〜ん、興味深いですね!
その理由としてトーマス・ギロビッチは…
「行動したことに対する後悔」は
- たとえ”失敗した”としても
- “あれはあれでよかった”
- “あの失敗があったから今の自分がいる”と、
- 自分の都合のいいように考えることが出来る
- そんな「心の免疫機能」が働く
しかし
「行動しなかったことに対する後悔」には
- 「心の免疫機能」が働かない
従って、
- 「やろう」と思ったのにやらなかったことは
- 一生、”後悔”のまま残ってしまう
と説明しています。
人間は、行動した後悔より、行動しなかった後悔の方が深く残るのです。
かく言う自分も、30過ぎから何年も、”海外で免許を取る挑戦”に踏み込まなかった後悔の念を引きずっていました。
後半はもはや罪悪感に近い程、後悔が大きくなっていました。
ようやく40歳をきっかけに動き始め、空港を発つ時、
- もう後悔しなくていいのだ、という安堵感
と共に、
- 飛び込んだ自分への大きな満足感
がありました。
まだまだ挑戦の先は長いのに、です。
“失敗”ではなく、”未来で繋がる貴重な経験”
以下の記事にて、大きな挑戦が”小さな挑戦の組み合わせ”であることを書きました。
僕の場合は16分割にしましたが、
この挑戦が”失敗”と判断されるのは、どの段階でしょうか?
一般的には
“後半のステップがうまく行かなかった時”
ではないでしょうか。
僕の例であれば
- ステップ13, 資格を取れなかった時
もしくは
- ステップ16, 永住権を取れなかった時
が失敗なのでしょう。
でも、これは本当に”失敗”なのでしょうか?
小さな挑戦で見ると、16のステップのうち12~15ステップまで、
つまり、挑戦の75%はうまく行っています。
野球ではありえない打率です。
極端な話、挑戦のどの段階でも、一歩踏み出す前に比べ確実にゴールに近付いています。
それに加え、
いくつかの新しい経験(自分の意思で挑戦に一歩踏み出す、朝勉強、退職、海外生活、フルタイムで勉強に集中、今までとは違う世界の人との出会い)もしています。
そして、
将来振り返った時、13~15ステップまでの経験+それに付随する経験が、思わぬところで役に立っていることに気が付くでしょう。
アップルコンピューターの創業者であるスティーブ・ジョブズ氏が、
スタンフォード大学の2005年の卒業式で行ったスピーチの中でこう語っています。
先を見通して点をつなぐことはできない。
振り返ってつなぐことしかできない。
だから将来何らかの形で点がつながると信じることだ。
バラバラの経験であっても、それらは将来何らかのかたちで繋がります。
たとえ挑戦が思った通りに行かなくても、それは失敗ではなく、未来で繋がる貴重な経験なのです。
時間差攻撃もあり!
もし思った通りに行かなくても、
諦めなければ挑戦は終わりません。
そんな時は、一旦別の出来ることをやっておけばいいでしょう。
時間をずらしたって一向に構わないのです。
もし一歩目を踏み出していなかったら
先ほどのトーマス・ギロビッチの調査が裏付けているように、
何の経験もすることもなく、未だに挑戦していない自分を責め、悶々と後悔し続けていたことでしょう。
まとめ
挑戦する | 挑戦しない | |
---|---|---|
後悔 | 徐々に小さくなる | 徐々に大きくなる |
新しい経験 | 積める | 積めない |
挑戦を当初の計画通り成功させる確率 | 高い (既に一歩目を踏み出しているので) | ゼロ (始めていないので) |
自分の限界 | 広がる (次のステージへ) | そのまま |
未来の可能性 | 広がる | 狭まる (時間は過ぎてゆくので) |
結論
本当の失敗は、“大切な最初の一歩を踏み出さないこと” ではないでしょうか。
後書き
僕もいくつかの挑戦で、未だ思った通りの結果が出ていません。
- 自分の作る音楽を世に出す
- 作家になる
- 射撃でオリンピックに出る
- 世界を自由に行き来する生活基盤を作る
- みんなで豊かになる
まだまだ色々とありますが(笑)、失敗でしょうか?
面白いことに、
複数の挑戦は、お互いに絡み合って、刺激し合って、前に進みます。
実は僕のオーストラリアでの挑戦は、
- 洋楽好きだったことから音楽制作を始め、
- 休職してロンドンの音楽シーンを体験しに行ったこと、
がきっかけで考えるようになりました。
もし良かったら、詳しくはこちらから(とても長いですが笑)
色々と考えても、その時点では分からないことばかり。
スティーブ・ジョブズ氏が語ったように、
先を見通して点をつなぐことはできない。
振り返ってつなぐことしかできない。
のです。
なので、
やりたいことはどんどん始めてしまえばいいと思います。
それらが想像も出来ない化学反応を起こして、考えてもいなかった世界へ連れて行ってくれるのです。
Jump the border!!
“挑戦のハードルが下がる考え方その1”はこちらから、
“その2”はこちらからどうぞ^^。
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